家の外壁、そろそろ塗り替えが必要かな、と漠然と考えている方。
でも、業者選びって本当に難しいですよね。
高額な工事だけに、失敗したくないという不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
悪徳業者に騙されて、高額な請求をされたり、手抜き工事で数年後に後悔する。
そんな事態を避けるためにも、業者選びのポイントをしっかり押さえておきましょう。
今回は、外壁塗装における悪徳業者の手口や、被害の実態、そして悪徳業者を見抜くための具体的な方法をご紹介します。
外壁塗装悪徳業者の手口
訪問販売の手法
悪徳業者の多くは、いきなり訪問してきます。
「外壁の塗装が劣化していて、このままでは雨漏りや建物の腐食につながり、大変なことに」と、緊急性を煽り、契約を急がせるのが常套手段です。
例えば、「近隣の家では雨漏りで大きな被害が出ている」と具体的な例を挙げたり、「この状態ではあと数年で外壁が剥がれ落ちる可能性が高い」と専門用語を交えながら、不安を煽る発言をすることもあります。
「近所で工事があるので特別価格で…」など、お得感を強調する言葉で契約を迫るケースもあります。
具体的な例としては、「○○建設が近隣で工事しているので、材料をまとめて仕入れることで通常より安くできます」といった具合です。
しかし、訪問販売で契約する前に、じっくり検討する時間を持ちましょう。
冷静さを失うと、本来の工事費用よりもはるかに高額な契約をさせられる可能性があります。
例えば、見積もりをじっくり確認せずに契約すると、後から高額な追加費用を請求されたり、必要のない工事まで追加されたりするケースがあります。
訪問業者は、まず信用しないことが大切です。
依頼前にしっかりと見積もりを取り、比較検討してから契約するようにしましょう。
不当な値引き
「半額にします」「足場代無料」など、ありえないほどの値引きを提示してくる業者もいます。
これらは、本来の見積もり金額を高く設定し、値引きしたように見せるための策略です。
例えば、本来の工事費用が100万円のところを200万円と見積もり、そこから「半額の100万円で」と提示することで、顧客に「お得感」を与えようとするのです。
大幅な値引きには必ず裏があります。
なぜそんなに安くできるのか、その理由をきちんと説明できる業者を選びましょう。
例えば、安価な塗料を使用したり、下地処理を省略したり、工事を手抜きしたりしている可能性があります。
安さだけで業者を選ばず、使用する塗料の種類や保証内容なども確認することが重要です。
不透明な見積もり
「外壁塗装一式○○円」といった、内容が不明瞭な見積書を提示してくる会社には注意が必要です。
具体的な工事内容、使用する塗料(メーカー名、品名、性能)、面積、塗装回数、下地処理の方法、足場費用、清掃費用などが詳細に記載されていない見積書は、手抜き工事の温床となります。
見積書の内容が不明瞭な場合、後から「追加工事が必要」「材料費が高騰した」などといった理由で追加料金を請求される可能性も高くなります。
例えば、下地処理の工程が曖昧な場合、本来必要な処理が省かれたり、劣悪な材料が使われたりする可能性があります。
必ず、詳細な内訳が記載された見積書を確認しましょう。
項目ごとに金額が明確に記載されているか、不明な点があれば業者に質問し、納得してから契約しましょう。

外壁塗装被害の実態
相談件数の増加傾向
近年、外壁塗装に関する相談件数は増加傾向にあります。
国民生活センターには、リフォーム工事全般に関する相談が年間数千件寄せられており、その中には高額な請求トラブルや手抜き工事に関するものも多く含まれています。
具体的な事例としては、契約内容と異なる工事内容で施工された、追加料金を請求された、工事の品質に問題があった、といったものが挙げられます。
これは決して他人事ではありません。
被害者になる可能性があることを認識しましょう。
特に高齢者や一人暮らしの高齢者は、悪徳業者に狙われやすい傾向があります。
高額な請求トラブル
悪徳業者は、高額な見積もりを提示したり、追加工事費を請求したりすることで、消費者を騙します。
例えば、当初の見積もりにはなかった「高機能塗料への変更」「防カビ処理の追加」「下地補修の拡大」などを理由に、数十万円から数百万円もの追加料金を請求するケースがあります。
契約書の内容をよく確認し、不明な点があれば質問するようにしましょう。
特に、追加工事の発生した場合の対応や、支払い方法、保証期間などはしっかりと確認しましょう。
工事内容の不備
手抜き工事は、見た目では分かりにくいため、後から問題が発覚することがあります。
例えば、下地処理が不十分であったり(高圧洗浄が不十分、サビ止め処理が不完全など)、塗装回数が少なかったり(2回塗りなのに1回塗りなど)、劣悪な塗料が使われていたり(耐用年数が短い塗料の使用など)、塗料の希釈率が高かったりします。
数年後に、外壁の剥がれ、ひび割れ、藻やカビの発生、雨漏りといった問題が発生する可能性も考慮しなければなりません。
このような場合、再塗装が必要となり、追加費用が発生します。
そのため、工事後も定期的に外壁の状態をチェックすることが重要です。
写真や動画で施工状況を記録しておくことも有効です。

外壁塗装悪徳業者を見抜くポイント
契約を急かす業者
「今日中に契約しないと割引がなくなります」「すぐに工事しないと危険です」「近隣住民からの苦情が出ているので急いで工事しないと…」など、契約を急かしてくる業者は危険です。
例えば、「このキャンペーンは本日限りです」と、時間的なプレッシャーを与えてくる場合も要注意です。
冷静に判断し、契約は急がないことが大切です。
依頼前にしっかりと見積もりを取り、契約前にクーリングオフ制度について理解しておきましょう。
不安を煽る言葉遣い
「このままでは家が倒壊する」「雨漏りで家が傷む」「シロアリ被害が拡大する」など、不安を煽る言葉で契約を迫ってくる業者もいます。
専門用語を多用し、顧客が理解できないように説明するケースもあります。
冷静に判断し、専門家に相談するなど、客観的な意見を聞くようにしましょう。
自治体が行っている住宅相談窓口や、建築士会、消費生活センターなどに相談することもできます。
無料点検の落とし穴
「無料点検」を謳い、訪問してくる業者もいます。
無料点検をきっかけに、高額な工事契約をさせられるケースが多いので注意が必要です。
無料点検を受ける際は、業者の実績や評判を事前に確認し、契約を急かされないようにしましょう。
訪問前に、業者のホームページなどで情報収集を行い、信頼できる業者かどうかを判断することが大切です。
まとめ
外壁塗装は高額な工事であり、悪徳業者に騙されないよう細心の注意が必要です。
訪問販売や不当な値引き、不透明な見積もり、契約を急かす業者、不安を煽る言葉遣い、無料点検といった悪徳業者の手口を理解し、依頼前にしっかりと見積もりを取る、契約前に十分な検討時間を取る、契約書の内容をしっかり確認する、施工中の状況を写真や動画で記録するなど、慎重な業者選びを行うことが重要です。
少しでも不安を感じたら、専門家(建築士、塗装業者団体など)への相談も検討しましょう。
後悔しないためにも、しっかりとした準備と知識をもって、業者選びを進めてください。
特に、高齢者の方は、家族や友人などに相談し、一人で判断しないようにしましょう。