サイディングの目地割れの原因を解説!経年劣化と施工不良建物の揺れとは

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サイディングの目地割れの原因を解説!経年劣化と施工不良建物の揺れとは

外壁のサイディングに発生する目地割れは、単に見た目の問題にとどまらず、建物の防水性や耐久性にも影響を及ぼす可能性のある重要なサインです。
なぜサイディングの目地部分にひび割れが生じてしまうのか、その原因は一つではなく、建物の経過年数や周辺環境、さらには初期の施工状況など、さまざまな要因が複合的に関わっています。
建物の健康状態を良好に保つためには、目地割れが起こるメカニズムを正しく理解し、適切な対処を行うことが不可欠となります。
そこで、この記事ではサイディングの目地割れについてわかりやすく解説していきます。

サイディングの目地割れ原因は経年劣化

シーリング材の耐久性低下

サイディングボードの目地部分に充填されているシーリング材は、建物の構造的な動きや温度変化による伸縮に追従する柔軟性を持つように設計されていますが、時間の経過とともにその性能は低下していきます。
太陽光に含まれる紫外線や風雨、外気温の変動といった外部環境に常に晒され続けることで、シーリング材は徐々に硬化し、弾力性を失っていきます。
この結果、サイディングボードが伸縮した際にシーリング材がその動きに耐えきれなくなり、ひび割れが発生するのです。
初期の弾力性が失われたシーリング材は、わずかな動きでも亀裂を生じやすくなり、目地割れは進行していきます。

サイディングボードの変形・収縮

サイディングボード自体も、材質によって温度や湿度によって膨張・収縮する性質を持っています。
特に、日射による温度上昇や、雨に濡れた後の乾燥といった環境変化は、サイディングボードに微細な変形や収縮を引き起こします。
これらの繰り返し発生する動きは、目地部分のシーリング材に常にストレスを与え続けます。
シーリング材がこのボードの動きに追従できる範囲を超えてしまうと、ボードの端部やシーリング材自体に応力が集中し、やがてはひび割れとなって現れる原因となります。

紫外線や水分による劣化進行

シーリング材やサイディングボードの表面は、太陽光線に含まれる紫外線によって劣化が促進されます。
紫外線は、これらの建材の主成分である高分子化合物を分解し、色褪せやチョーキング(粉状になる現象)、そして柔軟性の低下を引き起こします。
また、雨水などの水分が目地部分に浸入し、長期間滞留したり、凍結・融解を繰り返したりすることも、材料の劣化を早める大きな要因となります。
水分によって材料が膨張・収縮したり、内部にダメージが蓄積されたりすることで、シーリング材の弾力性が失われ、目地割れが発生しやすくなるのです。

サイディングの目地割れ建物の揺れとの関連

地震による建物の振動

地震が発生した際の建物の揺れは、外壁材であるサイディングボードやそれを固定している部材、そして目地部分のシーリング材に大きな負担をかけます。
特に、建物の構造や揺れの周期によっては、サイディングボードが大きくしなったり、急激な変形を起こしたりすることがあります。
このような激しい振動や建物の動きは、シーリング材の接着面や内部に亀裂を生じさせたり、サイディングボード自体に衝撃を与えて割れを引き起こしたりする直接的な原因となり得ます。

地盤沈下や不同沈下

建物を支える地盤が、何らかの原因で沈下したり、場所によって沈下量にばらつきが生じる(不同沈下)現象は、建物全体に歪みや傾きをもたらします。
この建物の歪みは、建物の構造材だけでなく、外壁材であるサイディングボードにも伝わり、無理な力がかかります。
サイディングボード同士を繋ぐ目地部分、特に柔軟性で吸収するはずのシーリング材は、この構造的な歪みによる継続的な応力に耐えきれず、ひび割れや剥離を引き起こしてしまうことがあります。

建物の構造的な歪み

建物の設計段階での考慮不足、施工時の不備、あるいは長期間の使用による構造材の経年変化などが原因で、建物自体に構造的な歪みが生じることがあります。
この歪みは、目に見えない微細な力として建物全体に常に作用し続けます。
外壁のサイディングボードや目地部分も、この持続的な歪みに晒されることで、シーリング材が引っ張られたり圧迫されたりし、徐々に劣化が進み、最終的には目地割れという形で表面化することがあります。

サイディングの目地割れ施工不良が原因

シーリング材の不適切な施工

サイディングの目地割れは、新築時や補修時のシーリング材の施工不良が原因で発生することも少なくありません。
例えば、目地部分の清掃やプライマー(下塗り材)の塗布といった下地処理が不十分なままシーリング材を充填したり、シーリング材の量が不足していたり、逆に厚すぎたりすることで、適切な接着が得られず、早期に剥がれやひび割れが生じやすくなります。
また、シーリング材が完全に硬化する前にサイディングボードが動いてしまうと、内部に応力が残り、割れに繋がることもあります。

下地処理の不備

サイディングボードの接合部や目地部分にシーリング材を充填する前には、ボードの表面や目地の溝を清掃し、異物や旧シーリング材の残骸などを除去する作業が不可欠です。
この下地処理が不十分だと、新しいシーリング材がボードの表面にしっかりと密着せず、剥離の原因となります。
また、ボードの隙間や凹凸が適切に処理されていない場合も、シーリング材が均一に充填されず、部分的に応力が集中して割れやすくなります。

サイディングボードの固定方法の問題

サイディングボードは、通常、釘やビスによって構造躯体に固定されています。
この固定が不十分であったり、固定する間隔が設計基準から外れていたりすると、ボードが風圧や建物の揺れ、温度変化による伸縮によって過剰に動いてしまうことがあります。
サイディングボードの動きが大きくなると、目地部分のシーリング材に余計な負荷がかかり、シーリング材の伸びや縮みの許容範囲を超えてしまい、結果として目地割れを引き起こす原因となります。

まとめ

サイディングの目地割れは、シーリング材の経年劣化による弾力性の低下、サイディングボード自体の膨張・収縮、紫外線や水分による材料の劣化といった「経年劣化」が主な要因として挙げられます。
それに加え、地震による建物の振動や地盤沈下、構造的な歪みは、外壁に予期せぬ力を加えることで目地割れを誘発する可能性があります。
さらに、新築時や補修時のシーリング材の充填不良、不十分な下地処理、ボードの固定方法の不備といった「施工不良」も、目地割れの直接的な原因となることが少なくありません。
これらの要因が複合的に作用することで、サイディングの目地割れは発生・進行します。
目地割れを放置すると、雨水が建物内部に浸入し、構造材の腐食やカビの発生など、より深刻な建物の劣化に繋がる恐れがあるため、早期の点検と必要に応じた補修が建物の寿命を延ばす上で非常に重要となります。

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