屋根カバー工法のメリットデメリットを解説!葺き替えとの違いも紹介

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屋根カバー工法のメリットデメリットを解説!葺き替えとの違いも紹介

屋根は、住まいを守る上で非常に重要な役割を担っています。
しかし、年月とともに劣化が進み、雨漏りや強風による被害のリスクが高まることも少なくありません。
屋根のメンテナンスを検討する際、工期や費用、建物の状態への影響など、気になる点は多岐にわたることでしょう。
特に、既存の屋根材を剥がさずに新しい屋根材を重ねる「屋根カバー工法」は、その効率性から注目を集めていますが、一方でその特性を十分に理解しておくことが大切です。
この記事では、屋根カバー工法のメリット・デメリット、そして葺き替え工法との違いを解説し、ご自宅の屋根リフォームを検討する上での判断ポイントをご紹介します。

屋根カバー工法のメリット

葺き替えより費用を抑えられる

屋根カバー工法が葺き替え工事と比較して費用面で有利とされる主な理由は、既存の屋根材を撤去・処分する工程が不要である点にあります。
葺き替え工事では、古い屋根材を剥がし、その下地材の状態を確認・補修し、さらに産業廃棄物として適切に処分する必要があり、これらに相応の費用と手間が発生します。
一方、カバー工法では、既存の屋根材の上から直接、防水シート(ルーフィング)を敷き、その上に新しい屋根材を設置するため、これらの費用や工期を大幅に削減することが可能です。
例えば、屋根の面積や使用する新設材の種類にもよりますが、一般的に葺き替え工事と比較して、総額で2割から3割程度費用を抑えられるケースも少なくありません。
この費用の差は、屋根リフォームにおける予算計画において、非常に大きなメリットとなり得ます。

短期間で工事が完了する

工事期間の短縮も、屋根カバー工法の大きな利点の一つです。
葺き替え工事では、既存屋根材の解体・撤去に数日を要し、その後、下地の補修や新しい屋根材の設置へと進みます。
屋根の形状や面積にもよりますが、全体で1週間から2週間程度の工期となることが一般的です。
対して屋根カバー工法は、前述の通り解体工程が省略されるため、新しい屋根材の設置に集中できます。
これにより、多くの場合、5日から1週間程度で工事が完了します。
工事期間が短縮されることは、単に早く終わるというだけでなく、工事中の騒音や近隣への影響を最小限に抑えられる、雨漏りのリスクにさらされる期間を短縮できる、といったメリットにも繋がります。
特に、梅雨時期や台風シーズン前に屋根の補修を検討している場合には、この工期の短さは大きな魅力となるでしょう。

屋根カバー工法が抱えるデメリットは何か

建物の荷重が増加する

屋根カバー工法は、既存の屋根材の上から新しい屋根材を重ねて施工するため、必然的に屋根全体の重量が増加します。
古い屋根材の種類や状態、そして新しく設置する屋根材の種類(金属、アスファルトシングル、ガルバリウム鋼板など)によってその増加量は異なりますが、建物にかかる総荷重が増えることは避けられません。
特に、築年数が経過しており、建物の構造強度に不安がある場合や、耐震性能が十分に確保されていない建物においては、この荷重増加が建物の構造に与える影響を慎重に検討する必要があります。
専門家による建物の構造計算や、場合によっては耐震診断などを実施し、安全性を十分に確認した上で採用を決定することが極めて重要です。
軽微な重量増加であれば問題ないケースが多いですが、建物の状態によっては、将来的なリスクとなり得る可能性も考慮しなければなりません。

将来的なメンテナンスが複雑になる

屋根カバー工法によって屋根が二重構造となるため、将来的なメンテナンスや修理が複雑になる可能性があります。
例えば、万が一、雨漏りが発生した場合、その原因が既存の屋根材からなのか、新しく重ねた屋根材からなのか、あるいはその間の防水層にあるのかといった特定が難しくなることがあります。
雨漏りの箇所を特定し、的確な修理を行うためには、専門的な知識と技術がより一層求められることになります。
また、重ね葺きした屋根材自体の劣化はもちろん、その下にある既存の屋根材や防水層の劣化が進行した場合、最終的には屋根全体を葺き替える必要が出てくる可能性も考えられます。
その際、二層構造になっていることで、解体作業の手間が増え、結果的に葺き替え工事の費用が高くなることも留意すべき点です。

屋根カバー工法と葺き替え工法の違い

既存屋根を剥がさず重ねるのがカバー工法

屋根カバー工法は、既存の屋根材をそのまま残した状態で、その上から新しい屋根材を重ねて葺く工法であり、「重ね葺き」とも呼ばれます。
この工法の最大の特徴は、既存屋根材の撤去・処分費用がかからず、工事期間も短縮できる点にあります。
これにより、比較的安価かつスピーディーに屋根の刷新を図ることができます。
しかし、屋根の重量が増加することや、将来的な雨漏り発生時の原因特定・修理が難しくなる可能性があるといったデメリットも存在します。
屋根の構造や下地の状態に問題がなく、単に屋根材の劣化や美観の向上が目的の場合に適した工法と言えます。

既存屋根を撤去するのが葺き替え

一方、葺き替え工法は、既存の屋根材をすべて剥がし、下地材の状態を確認・補修した上で、新しい屋根材を一から施工する工法です。
この工法の最大のメリットは、屋根材だけでなく、その下の防水層や下地材まで新品に交換できるため、屋根全体の耐久性を大幅に向上させることができる点です。
また、下地の状態を直接確認できるため、雨漏りの根本的な原因究明や、建物の構造的な問題点の発見にも繋がります。
屋根材の重さをリセットできるため、建物の荷重負担を軽減できるという利点もあります。
しかし、カバー工法に比べて費用が高くなり、工事期間も長くなる傾向があります。
屋根材の傷みが激しい場合や、下地の劣化が疑われる場合、建物の軽量化を図りたい場合などには、葺き替え工法が適しています。

まとめ

屋根カバー工法は、既存屋根材を撤去せずに上から新しい屋根材を重ねることで、葺き替え工法に比べて費用を抑え、工事期間を短縮できるという大きなメリットがあります。
特に、限られた予算内で効率的に屋根の刷新を行いたい場合には有効な選択肢となります。
しかし一方で、屋根全体の荷重が増加することや、将来的な雨漏り発生時のメンテナンスが複雑になる可能性があるといったデメリットも存在します。
そのため、屋根カバー工法を採用する際には、建物の構造強度や耐震性への影響を専門家と十分に検討し、長期的な視点でのメンテナンス計画も考慮することが不可欠です。
葺き替え工法との違いを理解し、ご自宅の状況や将来的な計画に最も適した方法を選択することが、安心できる住まいの維持に繋がるでしょう。

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