屋根周りの名称、何となく分かりますか?
「破風」や「軒天」といった言葉は聞いたことがあるけれど、実際にはどの部分を指すのか、曖昧なままではないでしょうか? 屋根の構造を理解することは、適切なメンテナンスやリフォームを行う上で非常に重要です。
今回は、屋根周りの主要な部位の名称と役割、そしてメンテナンスの重要性について解説します。
雨漏りなどのトラブルを防ぎ、建物の寿命を長く保つためにも、ぜひ最後までお読みください。
屋根廻り名称完全ガイド
屋根の主要な部位と名称
・棟(むね):屋根の頂上部分。
多くの場合、棟板金で覆われています。
風雨にさらされるため、定期的な点検が必要です。
大棟(おおむね)は屋根の頂上で屋根と屋根が重なる部分、隅棟(すみむね)または下り棟(くだりむね)は屋根の流れに沿って隅の軒にむかう棟です。
・軒先(のきさき):屋根の先端部分。
軒の出(のきので)は、外壁から軒先までの長さです。
雨水が集中しやすい部分なので、特に注意が必要です。
軒先板金が取り付けられていることが多いです。
軒先の裏側は軒天で覆われています。
・軒天(のきてん):軒先の裏側部分。
主にベニヤ板やケイカル板などのボードで覆われ、建物の構造部材を隠す役割があります。
防水機能も担うため、劣化による剥がれや腐敗には注意が必要です。
・ケラバ:雨樋がついていない方の屋根の端部分。
建築部材ではなく、場所を示す名称です。
日当たりの調整や雨の吹き込み防止、外壁の紫外線対策に役立ちます。
・破風(はふ):切妻屋根や入母屋屋根の妻側にある山形の部分。
破風板と呼ばれる板が取り付けられています。
防風、防水、防火の役割があります。
・鼻隠し(はなかくし):軒先に設置された板材。
屋根の強度を高め、垂木の腐食を防ぎ、雨樋を取り付ける重要な部位です。
・大棟(おおむね):屋根の頂上で屋根と屋根が重なる部分。
棟板金で覆われ雨の浸入を防ぎますが、風雨の影響を受けやすく、定期的な点検が必要です。
・隅棟(すみむね)/下り棟(くだりむね):屋根の流れに沿って隅の軒に向かう棟。
方形屋根や寄棟屋根に見られます。
屋根材の種類と特徴
・瓦屋根:耐久性が高く、伝統的な屋根材。
軽量防災瓦など、耐風・耐震性能を向上させた瓦も普及しています。
・スレート屋根(コロニアル、カラーベストなど):セメント系の屋根材。
軽量で施工しやすい反面、経年劣化による雨漏りのリスクがあります。
アスベストが含まれている可能性もあるため注意が必要です。
・金属屋根(ガルバリウム鋼板など):軽量で耐久性が高い金属製の屋根材。
錆びにくいガルバリウム鋼板が主流です。
様々な形状やデザインがあり、断熱材一体型のものもあります。
・アスファルトシングル:アスファルト製のシートに石粒を付着させた屋根材。
比較的安価ですが、耐久性は他の屋根材に劣ります。
屋根周りの付帯部材と名称
・雨どい:軒先から流れ落ちる雨水を排水する部材。
軒樋(のきどい)と竪樋(たてどい)があり、集水器、這樋(はいどい)、エルボ、呼び樋、つかみ金物などの部品から構成されます。
詰まりや破損を防ぐため、定期的な清掃や点検が必要です。
・庇(ひさし):窓や玄関扉の上に取り付けられた小さな屋根。
雨風や直射日光を防ぎます。
・雪止め金具:雪の落下を防ぐための金具。
積雪地域では必須です。
・棟換気:小屋裏の湿気や熱気を排出する換気システム。
屋根の形状と名称
・切妻屋根:三角形の屋根。
雨漏りにくい形状です。
・寄棟屋根:四つの傾斜面を持つ屋根。
・片流れ屋根:一つの傾斜面を持つ屋根。
・陸屋根:平らな屋根。

屋根廻りのメンテナンスの重要性
屋根の点検とメンテナンスの頻度
屋根の寿命を延ばし、雨漏りなどのトラブルを防ぐためには、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。
点検頻度は屋根材の種類や築年数、気候条件などによって異なりますが、最低でも数年おきに専門業者による点検を行うことをおすすめします。
雨漏りの原因と早期発見の重要性
雨漏りは、屋根材の劣化、雨どいの詰まり、シーリングの破損など様々な原因で発生します。
早期発見が重要で、放置すると建物の腐朽やシロアリ被害などを招き、修理費用が大幅に増加する可能性があります。

まとめ
今回は、屋根周りの主要な部位の名称と役割、そしてメンテナンスの重要性について解説しました。
雨漏りなどのトラブルを未然に防ぎ、快適な住まいを長く保つために、定期的な点検を心がけましょう。
専門業者への相談も有効な手段です。
日頃から屋根の状態に気を配り、適切なメンテナンスを行うことで、安心して暮らせる住まいを守りましょう。