家の老朽化が気になり始めたら、まずは外壁の状態をチェックしてみましょう。
外壁は家の顔であり、雨風から家を守る大切な役割を担っています。
しかし、外壁の種類は多岐に渡り、見た目だけでは判断が難しいことも。
そこで外壁の種類について解説します。
外壁の種類と特徴を理解する
窯業系サイディングの特徴
これはセメントと木材繊維を混ぜて板状に成形した外壁材です。
最も一般的な外壁材で、70%以上のシェアを誇ります。
デザインのバリエーションが豊富で、レンガ調やタイル調、木目調など、様々なデザインが楽しめます。
目地が目立たないように、幕板で隠されている場合も多いので注意が必要です。
1: 見分け方のポイント:目地の間隔が約3m間隔であること、そしてその目地を隠すための幕板の存在に注目しましょう。
また、素材の質感は比較的軽く、硬すぎず柔らかすぎない中間的な感触です。
モルタル外壁の特徴
モルタル外壁は、セメント、砂、水などを混ぜて壁に直接塗る外壁材です。
目地がないのが特徴で、重厚感のある仕上がりになります。
仕上げ方によって、スタッコ仕上げ、吹き付けタイル仕上げ、リシン仕上げ、左官仕上げなどがあり、それぞれ質感や模様が異なります。
1: 見分け方のポイント:継ぎ目がない、という点が大きな特徴です。
仕上げによって質感は大きく異なり、ザラザラしたものから滑らかなものまで様々です。
金属系サイディングの特徴と見分け方
金属系サイディングは、ステンレス、アルミ、ガルバリウム鋼板などの金属板を加工した外壁材です。
近年人気が高まっており、軽量で耐久性が高いのが特徴です。
断熱性も向上しており、遮熱塗料を使用したものもあります。
デザインもシンプルでスタイリッシュなものから、インクジェットプリンターで塗装されたものまで幅広くなっています。
1: 見分け方のポイント:金属特有の光沢や、叩いた時の金属音に注目しましょう。
また、比較的平滑な表面をしていることが多いです。
ALC外壁の特徴と見分け方
ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)外壁は、セメント、石灰、発泡剤などを混ぜて作られた軽量気泡コンクリートです。
断熱性、耐火性、遮音性に優れ、高性能な外壁材として知られています。
パネルの厚みは35mm~75mmと厚みがあり、目地が多いのが特徴です。
1: 見分け方のポイント:他の外壁材と比べて厚みがある点が大きな特徴です。
窓枠との間に隙間がある場合が多く、目地も多く存在します。
叩いた時の音は、比較的硬く、澄んだ音がします。
タイル・木製サイディング・漆喰・土壁・樹脂系サイディングの特徴
タイル外壁は、粘土や石などを高温で焼き固めたもので、耐久性が高いです。
木製サイディングは天然木を使用し、高級感のある仕上がりになります。
漆喰や土壁は、伝統的な外壁材で、調湿性に優れています。
樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂製で、軽量で耐久性が高いです。
これらの外壁材は、それぞれ独特の質感や特徴を持っています。
1: タイル:硬く、光沢のある表面が特徴です。
目地は明確に見えます。
2: 木製サイディング:天然木の風合いがそのまま生かされています。
経年変化による色の変化も楽しめます。
3: 漆喰:白い壁で、独特の滑らかさがあります。
4: 土壁:土の質感がそのまま残っており、ザラザラとした手触りです。
5: 樹脂系サイディング:プラスチックのような質感で、軽量です。
目地がないタイプもあります。

外壁の種類を見分けるための具体的な手順
目地に着目する
外壁材の種類によって、目地の有無や間隔が異なります。
窯業系サイディングやALCは目地があり、モルタル外壁は目地がありません。
金属系サイディングは目地があっても目立ちにくいように施工されています。
目地に着目することで、外壁材の種類を絞り込むことができます。
素材の質感と厚みに注目する
外壁材を触って質感を確認してみましょう。
窯業系サイディングは比較的軽く、モルタルはザラザラとしたものから滑らかなものまで様々です。
金属系サイディングは金属特有の感触があります。
ALCは厚みがあり、重厚感があります。
また、厚みも重要な判断材料となります。
ALCは特に厚みがあります。
叩いて音を確かめる
外壁材を軽く叩いて音を聞いてみましょう。
金属系サイディングは金属特有の澄んだ音がします。
それ以外の外壁材は、比較的鈍い音がします。
ただし、下地の状態によっても音が変わるため、複数の箇所を叩いて確認することが重要です。
不安な場合は専門家に相談する
自分で判断するのが難しい場合は、専門業者に相談しましょう。
外壁塗装業者などは、豊富な経験と知識から、正確な外壁材の種類を判断し、適切なメンテナンス方法をアドバイスしてくれます。
まとめ
この記事では、外壁の種類を見分ける方法について、具体的な手順を交えて解説しました。
外壁の種類を理解することで、適切なメンテナンスを行うことができ、家の寿命を延ばすことに繋がります。
しかし、判断に迷う場合は、専門業者に相談することをお勧めします。
ご自身の家の外壁の種類を特定し、適切なメンテナンスを計画することで、安心して長く住み続けられる住まいを実現しましょう。